人の心を持った犬 野犬・太郎と私の日本平物語
「野犬」というと、わたしの中では「のら犬」というよりもっと人に対して敵対心を抱いている犬を想像する。
日本ではのら犬にも野犬にも出会ったことはない。
まだドイツに住んでいた中学生の頃、エジプトに旅行に行ったときに、人に飼われていない犬たちに
たくさん出会った。でも、人を見ると、餌をもらえると思って自分から近づいてきた。
この本に出てくる犬、太郎は、野犬だった。
著者は、悲しさと寂しさをたたえた目をした太郎の信頼を1年以上かけて得ると、
太郎の山を一緒に散歩するようになる。諦めない気持ちが太郎に通じたと感動し心温まる。
- 遠藤 初江
- 人の心を持った犬―野犬・太郎と私の日本平物語